
(株)アドシン 代表取締役 光澤 陽介氏(熊本)
俳優から経営者へ―どん底からのスタート

熊本市にある(株)アドシン(光澤陽介代表取締役、熊本同友会会員)は、ホームページやECサイト、グラフィックデザインなど、幅広いクリエイティブサービスを提供する会社です。光澤氏は、20歳で俳優をめざし上京しましたが、父親の体調不良をきっかけに家業を継ぐことを決意しました。
入社後、光澤氏は会社の課題に直面します。営業と制作の衝突、長時間労働、そして何よりも父親との価値観の違い。それでも、「この状況を変えたい」という強い思いから、熊本同友会で経営を学び、経営指針書を作成しました。
父との衝突、そして気づき―社員と共に歩む経営へ
しかし、先代の父親は「俺のやり方を否定するのか!」と猛反対。光澤氏は悩んだ末、同友会の助言を受け、父親の思いを丁寧に聞き取ることにしました。すると、根底には「社員を大切にしたい」という共通の思いがあることに気づき、共に経営指針書を作ることを提案します。
幹部社員全員での合宿で、父親は創業の思いを語り、社員との絆を再確認しました。光澤氏は、会社の歴史と伝統を守りつつ、変革の必要性を感じ、社員一丸となって進む決意を新たにします。
「理念で飯は食えない!」苦境を乗り越え、V字回復へ

しかし、景気悪化により業績が悪化すると、再び父親との衝突が激化します。「理念だけでは飯は食えない!」と父親は言い、同友会での学びを否定しました。それでも光澤氏は、学びを実践するためには社長になるしかないと考え、父親に社長になるための条件を尋ねます。すると、「お前はまだ中途半端だ!同友会を辞めろ!」という厳しい言葉が返ってきました。
さらに、社員からも「いつも人のせいにしている」「最後までやり遂げてほしい」「次は何を僕たちにやらせるんですか?」と厳しい言葉が投げかけられ、光澤氏は苦渋の決断で同友会を退会します。
涙の謝罪、そして社員との誓い―どん底からのV字回復

社員の前で涙ながらに謝罪し、自身の責任を認めると、父親も「お前の覚悟を見た。みんなで力を貸してやってくれ」と涙ながらに語り、社員たちは光澤氏を支えることを誓いました。
半年後、光澤氏は社長に就任。社員と共に新たな経営指針書を作成し、行動計画と人事制度を連動させます。また、社員の能力を最大限に引き出す組織を作り、既存事業の拡大や新規事業の立ち上げを積極的に支援し、成果を出した社員には将来的に分社化して子会社の社長をめざせるような仕組みを導入。実際に、社長をめざして営業活動に邁進し、目覚ましい成果を上げた社員も現れました。
目標達成のたびに全員で祝う「勝ち癖」を作り、社員のモチベーションを高めました。その結果、わずか1年で業績をV字回復させます。そして2021年、光澤氏は再び熊本同友会に復帰しました。
デザイン思考で地域を元気にする―新たな挑戦
現在、(株)アドシンは新たな挑戦として、農家の課題解決に取り組んでいます。農家の「タレント化」を通じて、販路拡大やブランド力向上を支援し、農業を「持続可能で魅力的な産業」へと変革することをめざしています。
光澤氏がめざすのは、単なる制作会社ではなく、デザイン思考でさまざまな課題を解決するデザインコンサルティングファームです。これまでの顧客との信頼関係を大切にしながら、新たな事業にも積極的に取り組み、地域社会全体の発展に貢献していきます。
| (株)アドシン | |
|---|---|
| 設立年 | 2004年8月 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 従業員数 | 31名 (内パート6名) |
| 年商 | 3億円 |
| 事業内容 | チラシ等の印刷物からHPやECサイトの企画・デザイン |
| 住所 | 〒861-8005 熊本市北区龍田陳内2-1-77 |
| 電話番号 | 096-249-3456 |
| URL | https://www.e-adshin.com |










