
(株)ダイプラン 代表取締役 岩山 佳代氏(愛知)
愛知県名古屋市の建設業・(株)ダイプランでは、さまざまな問題を抱えた人たちを雇用しており、代表取締役の岩山佳代氏(愛知同友会会員)は「自身の先入観や思い込みで人と接するのではなく、ありのままの相手を知ろうとする姿勢」で社員たちと向き合い、彼らの人情深さが生きる温かな社風づくりに取り組んでいます。そんな岩山氏の奮闘と企業実践を紹介します。
会社のみんなを守りたい

岩山氏が家業である建設業の世界に足を踏み入れた背景には、幼少期から見てきた業界特有の人間模様への違和感がありました。肩書や経歴だけで人を判断し、見下す世間の偏見に対し、「みんな同じ人間なのになぜ」という憤りを感じていた岩山氏は、「会社のみんなを守りたい」との思いから後継者の道を選びました。
しかし、当時の社内環境は「人間尊重」とは程遠いものでした。社員の大半が日雇い労働者であり、突然の失踪やトラブルが日常茶飯事の、いわば「一生懸命に働くと損をする」ような会社だったと言います。
同友会で芽生えた経営者としての自覚
岩山氏の転機となったのは、同友会への入会でした。当時、身内や社員以外の他人に対する警戒心が強く「人間嫌い」で内弁慶だったといい、当初は受け身の姿勢で参加していましたが、先輩経営者からの厳しい叱咤激励や、自社の深刻な財務状況を突きつけられた「緊急経営会議」などを経て、経営者としての覚悟が芽生えたと言います。「自分が変わらなければ会社は変わらない」と悟った岩山氏は、「当初は作りたくなかった」という経営指針書の作成に着手します。一度は挫折したという指針作成でしたが、ここでも同友会の仲間や先輩から学び、励まされ、自身の思いや考えを込めた経営指針を成文化することができました。
自社で経営指針発表会を開催すると、社員から「ここで働けてよかった、雇ってくれてありがとう」という予想外の言葉が返ってきました。この経験は、思いだけでなく「指針」があってこそ、社員が社会の一員としての自覚を持ち、会社全体が一丸となれることを岩山氏に確信させました。
社員は最も信頼できるパートナー

組織改革を進める中で、岩山氏は社員同士の対立や過剰な自己評価、他責的な考えといった課題に直面します。これらを解決し、互いを認め合い高め合う集団にするため、共通の判断基準として「大喜8箇条」を策定しました。ここには「自己満足と過信な自己評価はしない」「自身の主観だけで人を否定・批判しない」など、自身の失敗や体験から得た教訓が反映されています。
さらに、この8箇条を基準とした自己評価・他者評価と、半年に一度の個人面談を継続することで、社内からは否定的な言動が減り、互いを思いやった前向きな意見が出るようになりました。岩山氏は、このプロセスを通じて、社員を単なる「従業員」ではなく「最も信頼できるパートナー」として認識するに至りました。
人生のリスタートを切れる会社に

さらに岩山氏は、外国人技能実習生の受け入れという新たな挑戦に踏み切りました。この挑戦により、幹部社員に自信がつき、言葉や文化が異なる相手に対してコミュニケーションの工夫ができるようになり、会社の雰囲気もよくなるという効果をもたらしました。
特筆すべきは、過去に事件を起こした元社員を再雇用するという決断です。これは「人生につまづいた人でもリスタートを切れる会社にしたい」という岩山氏の一貫した理念の表れでした。岩山氏が丁寧に説明することによって社員たちもこの目的を理解し、温かいサポートで彼を迎え入れ、現在は幹部として活躍しています。これは、「ありのままを受け入れ、向き合う」という岩山氏の経営姿勢が土壌として、組織に根付いていることの証左だと言えるでしょう。
「湯たんぽのような企業」をめざして
岩山氏が掲げるビジョンは「湯たんぽのような企業になる」ことです。「人情深い社員で成り立っているのが自社最大の強み。それをどんどん生かしていける会社でありたい。そのためにも今後も、表面ではなく、本質を考えることを大切にして、自身も自社も進化していけるよう学び実践し続ける」と決意を語る岩山氏は、「古きよきものを大切にしながら時代の変化に適応し、関わるすべての人に喜びを」を追求し、労使が共に育ち合う関係づくりを進め続けています。
| (株)ダイプラン | |
|---|---|
| 創業 | 1972年 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 総社員数 | 40名 |
| 年商 | 2億円 |
| 事業内容 | とび、土工工事、タイル、れんが、ブロック工、機械器具設置工事業 |
| URL | https://daiplan.jp/ |










