(株)堀之内建設 代表取締役 堀ノ内 茂樹氏(鹿児島)
(株)堀之内建設は鹿児島県霧島市で建築土木の公共・民間工事をしている総合建設会社で、代表取締役の堀ノ内茂樹氏は、現在鹿児島同友会で副代表理事兼経営指針委員会委員長を務めています。
堀ノ内氏の「住環境によって安心安全な感動空間を創造し提供する」という経営理念に基づく自社での取り組みと同友会活動について紹介します。
VR設計の導入
建設会社として60年以上の歴史を持つ堀之内建設は、6年前(2018年)、新築住宅に特化した住宅事業部を立ち上げ、VRシステムを利用した設計施工事業を始めました。従来の家づくりでは、お客さまは平面の図面や色のサンプルなどを参考にして建物をイメージしていましたが、完成イメージとのミスマッチが起こらずに納得のいく家づくりを提供できるよう、VRシステムの導入を決めました。お客さまに部屋の広さや床と壁の色のバランスなどを確認してもらいながら設計することで、より完成形に近いイメージを持ってもらえるようになりました。しかし、VR(道具)が仕事をするわけではありません。「なぜVRなのか?」「なぜその技術が必要なのか?」を、経営理念と共に社員と共有し、みんなが納得したうえで行っています。
誰に対しても、住環境をトータルプロデュース
父親の介護のために実家をリフォームした際、住宅を改修したにもかかわらず、要介護度が重くなっていく経験をしました。以前から住宅の介護用リフォームは手掛けていましたが、この経験から、建設の知識だけでなく、介護の知識も必要だと痛感し、10年前(2014年)には介護リフォームに特化した介護事業部を立ち上げています。
介護福祉士などの福祉の専門知識を持つ社員と、建築士などの建物の専門知識を持つ社員がいることで、住む人に寄り添った提案ができるようになり、今では自社の強みとなる事業部の一つになっています。また、介護に時間を取られ、ゆっくり買い物にも行けないという家族の悩みを聞き、アパレル事業部を立ち上げて、女性の服飾・雑貨の販売も行うようにしました。最近では、命ある動物の過ごしやすさを考えた、ペットと共に暮らす家づくりや、空き家活用のための古民家再生など、新たな事業も始めています。多様な事業を展開していますが、すべての取り組みが、世の中の役に立つという大義名分と経営理念を軸にしており、理念を共有する社員一人一人が活躍することで、それぞれの事業が会社を支えています。
同友会での活動と展望
堀ノ内氏が経営指針委員会の委員長を務めて今期で7年目となります。初めて経営指針を成文化し、自社で取り組み始めた時には幹部社員が次々と退職し、会社が岐路に立たされていました。ただ、苦しくても根気強く経営改革を続け、今では社員数は最も少ないころの6名から25名まで増え、売り上げも最も落ち込んでいた時期の6倍までになりました。自身も困難な時期を乗り越えてきた経験があるからこそ、経営指針セミナーの受講生や会員の皆さんの悩みや苦しみがよく理解でき、それに少しでも応えられるよう、全国行事や中同協の経営労働委員会に参加して学び、新しい情報をインプットして、自社や鹿児島同友会での活動に還元しています。
堀ノ内氏は「自社の経営理念に基づき、これからも快適で豊かな住環境づくりを通じて人々を幸せにしたい。そして、誰もが笑顔でいられる同友会づくりを通じて、会員の皆さんのよい会社づくりの一助になることができれば、結果的にそれが同友会企業で働く社員の皆さん、そして地域全体の幸せにつながる」と今後の展望を話しました。
(株)堀之内建設 | |
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設立 | 1964年5月16日 |
資本金 | 2,000万円 |
事業内容 | 総合建設業、新築住宅・住宅店舗リフォーム、介護用品のレンタル・販売、洋服・雑貨販売 |
社員数 | 25名 |
所在地 | 〒899-6603 鹿児島県霧島市牧園町高千穂3864番地 |
URL | https://horiken-calin.com/ |