【第11回】人と社会の笑顔を創り出す (株)オールワン 代表取締役 石山 大作氏(福井)

(株)オールワン 代表取締役 石山 大作氏(福井)

 『癒しと安心』を提供し、地域ナンバーワン、誰もやっていないオンリーワン、誰よりも先にやるファーストワン。これらを実現し、人と社会の笑顔を創生する企業として、(株)オールワン(石山大作代表取締役、福井同友会会員)は活動を続けています。

共生社会の実現に向けて

 福井同友会に所属し、オールワンの代表取締役として活躍する石山氏は、地域社会と共生しながら新しい企業の形を模索しています。同社は、障がい者グループホームを運営し、障がいを持った方々の住まいと生活支援を提供しています。設立当初から、社会性を持ちつつ安定した経営をめざすという石山氏の思いは、業界内でも異例の成長を遂げてきました。

 「私たちのグループホームは、単に生活の場を提供するだけではありません。入居者が心から安心できる『癒し』と『安心』をテーマにしています」と石山氏は語ります。入居者は20代から60代までと幅広く、障がいの種類もさまざまです。「心と命の向き合う居場所と笑顔ある暮らしを創造し、共存共生の社会を実現する」という理念を掲げ、社内環境づくりに力を注いでいます。

スタッフと入居者が互いに支えあう

 オールワンでは、入居者がペットと共に生活できる環境を提供しています。現在、保護犬1匹と保護猫5匹が施設内で入居者と共に暮らしています。石山氏は、犬や猫との生活が入居者の精神的な安定や社会的スキル向上につながると確信しています。「人と話すのが苦手な入居者も、ペットには心を開くことがあります。その姿を見ると、私たちにはできない支援力をペットが持っていると感じます」と石山氏は語ります。

 また、スタッフと入居者が家族のように関わり合い、互いに支え合う文化を大切にしています。石山氏は、入居者や従業員との関係を「友達や仲間のような関係」と表現し、入居者の生活における「オンリーワン」の存在をめざしています。

地域の未来を切り拓く

 オールワンは障がい者の就労継続支援事業にも取り組んでいます。障がい者の方々に生活の場を提供するだけでなく、仕事を通じて自己実現を支援したいという思いから、食事作りや地域社会へのお弁当提供プロジェクトを準備しています。石山氏は「自分たちで育てた野菜を使い、調理し、地域の人々に提供することで、障がい者が社会とつながり、自信を持って仕事に取り組める環境を作りたい」と語ります。この取り組みは、地域社会と企業の共生のモデルケースとなる可能性を秘めています。

 さらに、医療的ケアが必要な重度障がい者を支援する新施設の設立も計画中です。看護師が24時間対応でき、難病を持った方々も安心して暮らせる場所を提供する予定です。「入浴が難しい方でも快適に入れるミストシャワー入浴装置を導入し、病院から地域へ戻りたい方々を支援することで、地域全体の福祉レベルを向上させたい」と石山氏は意欲を見せます。

 これらの挑戦の背景には、「自分だからこそできる」という石山氏の強い信念があります。「自社を全国のモデルケースにしたい」と語り、福祉業界におけるパイオニアとして、障がい者支援のあり方を再定義していくことをめざしています。

 (株)オールワンが21世紀型企業として成長を続ける中で、石山氏の挑戦はさらに続いていきます。その信念と行動力が、地域社会にどのような未来をもたらすのか、これからの取り組みに注目です。

(株)オールワン
設立 2020年1月21日
開設 2020年12月1日
資本金 500万円
従業員数 24名
年商 1億1千万円
住所 〒918-8016 福井県福井市江端町32-60-2
電話 0776-38-7002
URL https://allone-fukui.com/