
かなえハウス(株) 代表取締役 日高 香苗氏(埼玉)
かなえハウス(株)(日高香苗代表取締役、埼玉同友会会員)は埼玉県南部の新座市にあり、主に住宅の新築・リフォームの設計施工を行っている会社です。
日高氏は副社長という立場で2014年に同友会に入会し、経営指針づくりセミナーを受講している最中に会社が経営危機に陥りました。今までのお客さまを守るために続けていかなくてはいけないと、3人の仲間と会社のメンテナンス部門を引き継いで新たなスタートを切りました。
ゆくゆくは廃業しても…から会社を継続して社員を育てる

2022年2月の埼玉全県経営研究集会の分科会でする機会があり、自分が社長になった経緯や自社経営を振り返ったことが新卒採用を考えるきっかけになりました。「それまでは、社員も自分と同年代だから、将来的には自分の代で廃業してもいいと思っていましたが、お客さまを守るためにマイナスを承知で継いだのに、ここで廃業していいのか? だったら、若い社員を採用して育てないと駄目だ!」と決意します。
同友会の仲間にアドバイスをもらいながら採用活動を開始し、2023年4月から新卒の社員を採用し、現在は2027年卒採用に向けて動いています。
今後は先輩社員が担当している業務を新しい社員にきちんと引き継いでいけるように、定期的に採用していくことが目標です。現在他社で修行中の息子さんが本人の意思で自社に入ることも決まっており、10年後には社員たちにかなえハウスを引き継いでいきたいと考えています。
日高氏が20代のころに設計した家をリフォームする機会も多くなり、大切に住み続けるという気持ちを親から子へつないでいってもらえていることに、感慨深い思いを抱いています。「リピーターでいてくれるお客さまの存在がうれしいし、だからこそこのようなお客さまのために、会社は続けていかなくてはいけないと改めて感じています」と話します。
モデルルームの活用法

会社事務所から徒歩3分のところに「かなえハウスモデルルーム」があります。「息子が入社したら事務所が狭くなるからどうしようか・・・」と考えていたところに、ちょうどよくこの物件の売り出しがあったことで購入に踏み切り、モデルルーム化を図りました。
リフォームを検討中のお客さまに丁寧に説明したり、サンプルや写真を見てもらったりしても、どうしてもわかりにくい壁紙や床材・ブラインドなどの素材を、実際に見て触れてイメージしてもらうことができる場所です。建売住宅を買って、少しでも自分好みにリフォームしたいというお客さまにもお役に立てると考えています。
また、リビングダイニングは支部の打ち合わせや、会社主催のワークショップイベントにも活用しており、今後は地域の方々にもイベントなどで利用してもらう予定です。
夢は駄菓子屋をオープンすること
日高氏の長年の夢は駄菓子屋をオープンすることです。この駄菓子屋は、日中は同年代が集まってお茶飲み話ができる場所。夕方は子供が集まって宿題をやったり、おやつを食べたり遊んだりできる場所。子どもの話を聞くことと、子どもと遊ぶのが好きなので、何でも話せる地域のおばちゃんになりたいと語ります。
チャレンジする人の背中を押し、集まってくれた参加者も、場所を提供している会社の社員も喜ぶワークショップを長年運営してきた経験から、みんなでワイワイしながら大人も子どもも年齢関係なく人が集まる場所をつくりたい。安心して楽しく暮らせる地域づくりのために、まずは本業でしっかり基盤を作り、次の世代につないでいくという、決意と夢を語りました。
かなえハウス(株) | |
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設立年 | 2016年 |
資本金 | 1,000万円 |
従業員数 | 4名 |
年商 | 1億6,000万円 |
事業内容 | 住宅の新築、リフォーム、リノベーション |
住所 | 埼玉県新座市大和田4-15-1 |
TEL | 048-423-3733 |
URL | https://www.kanae-house.jp |