【第42回】経営理念「社員満足」 経営方針「顧客満足」 協栄工業(株) 代表取締役 大賀 豊文氏(大分)

協栄工業(株) 代表取締役 大賀 豊文氏(大分)

 協栄工業(株)(大賀豊文代表取締役、大分同友会会員)は管工事、土木工事を施工する会社として、1970年に設立されました。大賀氏は3代目で、義理の父である前社長の佐藤総一氏は1998年~2003年まで大分同友会代表理事を務めました。

経営理念に共感

 大賀氏は大手自動車メーカーに勤めていましたが、経営理念の「社員満足」に共感したこと、会社を訪問した際に経営理念に沿った雰囲気だったことに感銘を受け、2020年に入社しました。同年4月に同友会に入会、8月に経営指針成文化セミナーを受講し、2021年からは大賀氏が経営指針書を作成して、計画に沿ってPDCAサイクルを回しています。人を生かす経営を学び、経営指針を実践したことで社員の自主性が発揮され、くるみん認定、グリーン事業所認定、女性躍進推進表彰など、社員が率先して認証制度の申請をしてくれるようになりました。SDGsについても、自主的に委員会をつくり、仕事の意味付けをして、自分たちが考えるSDGsをレポートにしてくれています。

DX指針に基づいてデジタル化

 大賀氏は建設業界未経験のため、社員の勘や経験などアナログなところを大切にしています。しかし、会社に出社せずに直行直帰の働き方が当たり前となったことで情報を共有する必要があり、デジタル化を推進していきました。DX指針を作成し自社の強み、弱みと、課題に対する複雑性(1人の課題なのか、全社の課題なのか)を分析。自社の強みであり、課題複雑性の低いもの、例えば設計部門のソフトの導入などは優先してデジタル化を進めました。一方で、自社の強みでなく、課題複雑性が低い入金管理などは業界並みにするなど、優先順位を決めて進めています。

 原価管理や工事の工程管理、日報のシステムは社員と一緒に構築していきました。エクセルのマクロでの作成から始め、CSV出力やVBAを学び、試行錯誤しながら3年ほどかけて作り上げました。デジタル化=コモディティ化のため、一般的なソフトを使用すると他社と同じになってしまいますが、システムを自社開発することで、自社の強み、文化を生かすことができます。

1989年から新卒採用を継続

 同社は1989年から新卒採用を続けており、現在平均年齢は37歳。2019年にユースエール認定を取得し、今年も3名の新入社員が入社しました。会社を知ってもらうため、SNSで積極的に発信することはもちろん、「マンガでわかる協栄工業のしごと」「マンガでわかる協栄工業の人材育成」などわかりやすく伝える工夫をしています。また、トップアスリートの就職を支援するアスナビ・チーム大分プロジェクトに登録。スキー競技のトップアスリートを2024年に採用することができました。

事業承継は経営理念を引き継ぐもの

 経営理念に共感して入社した大賀氏。前社長の佐藤総一氏が同友会理念に基づいた経営を行い、お互いを認め合う社風があったため、社員との大きな軋轢はありませんでした。「経営理念は自社の存在意義です。事業承継とは仕事を継ぐのではなく理念を継ぐものだと思います。同友会で学び実践し、理念が浸透している会社は事業承継しやすいと感じています」と経営理念を引き継ぐ重要性を実感しています。

 今後は、規模の拡大よりもムリ、ムダを省き効率化と生産性を追求して、付加価値の向上をめざします。そのためには社員の成長が欠かせません。一例として、これまで社員が取得した資格や受けた研修などキャリアをクラウド上にあげて、スマートフォンから各自見ることで、社員が自身の成長を感じられる環境づくりに取り組んでいきます。「この会社にいる以上は経営理念を追求したい」と、今後も経営理念に沿った経営を続けていきます。

協栄工業(株)
設立 1970年
資本金 3,000万円
従業員数 60名
年商 20.7億円(2023年9月期 実績)
業務内容 総合設備業(管工事、土木工事、水道施設工事、消防設備工事)の設計施工と保守管理
所在地 大分県大分市大字下郡字千鳥3225番地の23
電話番号 097-569-5800
URL https://www.kyoei-os.co.jp/index.html