
(有)福田フルーツパーク 代表取締役 福田 陽一氏(山口)
山口県周南市の北部に位置する須金地区は、美しい自然に囲まれた標高200メートルの山間にある盆地です。人口230人ほどのこの小さなまちは、昼夜の寒暖差と潤沢な川の水を活用した果物づくりが盛んで、県内有数の梨やぶどうの産地として知られています。14の観光農園で構成される「須金フルーツランド」には、多くの人々が果物狩りを楽しみに訪れます。(有)福田フルーツパーク(福田陽一代表取締役、山口同友会会員)もその観光農園の1つです。
自然の恵みを生かして

(有)福田フルーツパークは1950年に福田氏の祖父が創業しました。2012年に福田氏が3代目として跡を継ぐと、当初からの梨とぶどうの栽培に加え、ブルーベリーの栽培、カフェ事業、ジャムの製造など、次々と新しい取り組みを始めました。社長就任前はアメリカで農業分野の研究をしており、現地の超巨大農園を見てきた経験もありましたが、周りの農園とのバランスを考慮し、農地を広げる以外の新しい方向性を模索することにしました。
そこで始めたのが、周りの山や川を満喫できる自然体験です。2016年に始めたアメリカンスタイルの本格的なBBQを皮切りに、ツリークライミング、アーチェリー、カヤック、サイクリングと年々体験メニューを追加。果物狩りのシーズン以外にもお客さまが訪れる目的を戦略的に作り出し、季節を問わず県内外から家族連れを中心とした多くの人でにぎわうようになりました。
存在意義の確立-顧客も社員も、もっと幸せなフルーツパークへ!

同友会には2018年に入会し、例会や県行事に積極的に参加。そんな中、ある報告での「自分の仕事は何のため?」という問いから、自社の存在意義を振り返りました。「おいしい果物づくりやその研究は私のライフワーク。毎日一生懸命に励み、とても充実している。しかし、お客さまはおいしい果物はもちろん、それ以上に自然の中で果物を狩る体験そのものを楽しんでいるし、もっと楽しみたい。本質はお客さまの幸せにあると気づいた」と語ります。
こうした気づきが、『果物狩りと自然体験との融合』という構想をさらに後押しし、今まで以上にエンターテインメントな施設をめざすことにつながりました。
2023年には夜のイルミネーションを開始。幻想的なプロジェクションマッピングで彩られた農園の道のりを歩くと、自然と光と音の調和に没入することができます。イメージを精密に再現するため、福田氏自ら独学で電気工事士の資格を取り、工事に携わりました。さらに今年から小学生を対象としたキャンプ事業に取り組んでいます。ツリークライミングやカヤック体験に加え、「こども哲学」と題し、自然の中で感じた疑問やモヤモヤについて考えるイベントです。いずれは宿泊施設とクラブ&バーを整備し、ディズニーランドのような1日中遊べるテーマパークを思い描いています。
また、同友会では社員共育の学びも大きかったと言います。それまではただ効率よく働いてもらうことを優先していましたが、今では「社員の幸せが一番」と考えるようになりました。個人面談や経営指針発表会を開始し、季節や天候に左右されやすい業種でありながら、計画的なシフト勤務制による年間休日数の増加、有給休暇の100%取得を達成。社員には安心した様子が見られるようになり、会社の未来を共に考えていける雰囲気が形成されつつあります。
地域に根差す中小企業家として

「須金の農園のみんなはライバルであり、共に地域の未来を考える仲間でもある。弊社がさまざまな取り組みを率先してやることで『こんな農園どう?』と提案し続ける存在でありたい」と福田氏は言います。また、30代で会社を継いだ福田氏は、同じように若い人材への承継を望んでいます。「私は1人で抱えることも多かったが、次の世代はチームでもいい。託した後はフロンティアマンとして地域のためになる楽しいことを考えたい」。どこまでも『楽しい』を追求する福田氏、これからの挑戦も目が離せません。
| (有)福田フルーツパーク | |
|---|---|
| 設立年 | 2003年(創業1952年) |
| 資本金 | 300万円 |
| 従業員数 | 6人 |
| 年商 | 9,000万円 |
| 事業内容 | 果物の生産と販売、果物狩り体験など自然体験 |
| 住所 | 山口県周南市大字須万2780 |
| 電話番号 | 0834-86-2138 |
| URL | https://www.fukuda-fp.com/ |










