
林商事(株) 林 洋介氏(島根)

林商事(株)(林洋介代表取締役、島根同友会会員)は、1954年に林硝子店として林氏の祖父が創業し、一般住宅や公共施設の窓ガラスに関わる事業を展開してきました。1998年には、新たな事業の柱として福祉用品や介護用品のレンタル・販売もスタート。高齢化を背景に日本で介護保険制度が導入されたタイミングで、2011年にはデイサービスにも取り組み始めます。現在は、お風呂やキッチンなどの水回り用製品、カーポートやフェンスなどのエクステリア商材を取り扱う建材事業をメインに、住宅リフォーム、介護用品、リハビリデイサービスの4つの事業を営んでいます。
突然の事業承継

林氏は大学卒業後、大手建材メーカーで3年ほど修行を積み、2013年に同社に入社しました。転機となったのは2021年10月。社長だった林氏の父がすい臓がんで急逝し、当時33歳の林氏が同社を事業承継しました。自らの売り上げだけを考える「プレーヤー」だった林氏は、社長業を引き継いだものの決算書の見方も分かりません。目の前のことに追われながら何とか業務をこなす日々が1年ほど続きました。その後、それまで多忙を理由に受講を断ってきた経営指針成文化セミナーへの参加を決意します。「経営者として何をしたらいいのかわからないなら参加するべき」との先輩会員の言葉に背中を押されました。
指針セミナーを通じて、経営者として取り組まなければいけないことや、今後の道筋が徐々に明確になっていきます。社員を「自分の言った通りに働く従業員」と捉えていた自らの姿勢にも気づきました。経営者としての自覚が芽生えた林氏は、社内で指針発表会を実施し、社長としての決意や経営理念・ビジョン・中期方針を熱く語ります。ところが社員たちの反応は薄く、質問や意見も一切出されませんでした。
みんなが働きやすい職場づくり

同社は事業部ごとに採用を実施しており、別の事業部の業務内容を社員同士が知らないことが大きな課題でした。そこで林氏は、事業部間の壁を取り払うためのさまざま取り組みに着手します。まずは、社員の交流の場として3つの社内委員会を設置し、それぞれの委員会に各事業部から必ず1名が参加する仕組みにしました。第1回目の委員会は、お互いの仕事内容についての自己紹介から始めたと言います。また、新年会や納涼会などは社員の家族も参加可能にして家族ぐるみの交流を深め、年間休日数の引き上げやトイレのリフォームを実施するなど、社員が働きやすい職場づくりを進めています。「事業部間で仕事を回せるようにして、地域の人々が“何でも頼める会社”にしたい」と林氏は話します。
2025年には、同社では初となる新卒採用活動にも取り組み始めました。学生と接する機会が増える中で、「条件面よりも仕事にやりがいがあれば働ける」という若者が多いことを知り、今後は新卒者を受け入れる土壌づくりとともに、社内の平均年齢引き下げをめざしています。
地域に必要とされる企業へ

林氏は、社員の声を集める仕組みとしてアンケートや面談を実施しています。社長の取り組みに対して好意的なものから厳しいものまでさまざまですが、社員が自由に意見を出せる企業風土に変化してきたことの表れでもあります。出された意見は可能な限り実現するようにしていると言い、会社の財務状況などの数値情報も公開して、社員への利益還元も忘れません。「地域から必要とされる企業になるために、まずは社員の幸せを追求したい」と語る林氏の目は、自社だけでなく地域の発展も展望しています。
| 林商事(株) | |
|---|---|
| 創業 | 1954年4月 |
| 資本金 | 1,120万円 |
| 社員数 | 20名 |
| 事業内容 | 建材事業、リフォーム事業、介護ショップ、リハビリデイサービス |
| 住所 | 〒694-0041 島根県大田市長久町長久イ506-1 |
| TEL | 0854-82-1013 |
| URL | https://hayasi-shoji.com/ |










