【第3回】小さな一流企業をめざして、24の主体性を輝かせる サトー産業(株)  代表取締役 佐藤 慎輔氏(愛媛)

サトー産業(株)  代表取締役 佐藤 慎輔氏(愛媛)

 来年、創業55年目を迎えるサトー産業(株)(佐藤慎輔代表取締役 愛媛同友会会員)は、地場産業である製紙、紙加工、鉄工の得意様を中心に機械部品、配管部品、設備機器の販売を行っています。今年6月に取締役2名の交代を行い、「新しいステージへ」全社で向かっています。

社員一人一人をみる人事評価制度

 佐藤氏は、1997年に後継者として同友会へ入会。16年前に先代の父から事業承継しました。当時の会社は、受け身の営業で仕事の価値が見いだせず、退職者が続出。そんな状況から脱却すべく、佐藤氏は承継した直後から経営指針成文化を行い、人事評価制度(成長シート)も同時期に導入しました。

 人事評価制度は、経営者目線ではなく現場の声を取り入れながら常にブラッシュアップ。社員一人一人をみる“絶対評価”で、頑張った分だけ自分に還元されることを実感します。それだけでなく、中堅職以上は「人を育てる人」が評価され、チーム全体の成長度合いによって評価されます。また、「人育て」の対象は社員だけなくお客さまも含まれており、信頼関係構築に大きな役割を果たしています。

人が育つ環境づくり

 2025年度の経営基本方針の1つに「新しいステージへ」を掲げるサトー産業は今年6月、20年以上貢献し続けている営業部のAさんとMさんが新取締役に就任しました。責任の重さを日々痛感しながらも「成長がないと面白くない」と、自らの成長の機会として向き合い、挑戦し続けている姿が印象的です。「2017年に始めた各部門での計画作成により、行動指針が明確になり、業務がやりやすくなった」とAさんとMさんは当時を振り返ります。

 佐藤氏は会社全体の経理情報を公開し、営業の目標数字についてもそれぞれ個人で設定するため、押しつけではない主体的な目標設定を可能にしています。個人目標だけでなく、全社目標の達成を重視すべく月1回、売り上げの高い社員からのフィードバックを行い、周りの社員へ刺激と学びを与える機会となっています。また、年に1度の経営方針発表会で全社員が個人の方針を発表する取り組みも始めました。これらの積み重ねが社内に互いの成長と存在を認め合う風土を醸成し、会社の成長の原動力となっています。

自身(仕事)の誇りが自社(会社)の誇りへ

 AさんとMさんともに前職の営業で厳しいノルマに迫られていましたが、同社では長期的な関係構築を重視するルート営業がメインのため、「地域にあてにされていることを実感しながら仕事をしている」と言います。

 また、自社展示場“TECHNO MESSE”を活用して年2回開催される展示会は、営業が中心となってメーカー選定を行うなど現場主導で行っています。普段、部品を扱っており完成品を見る機会が少ないため、社員のモチベーション向上にもつながっています。

 佐藤氏は常日頃から社員に向けて、「経営者だと思って働いてほしい」と伝えています。それを受け、AさんとMさんは「サトー産業という看板を背負って責任感をもって働いている」と口をそろえて言います。単なる言葉ではなく、社員一人ひとりにその意識が根付いており、それぞれが主体的に仕事に取り組んでいます。

企業価値は人的資産

 粘り強く、社員が自ら考える取り組みを段階的に進めた結果、社員の平均勤続年数は15年になりました。「社員の成長こそが会社の成長」を実感している佐藤氏。社員の成長が見える化された人事評価制度ですが、その根底にあるのは経営理念です。今後も24名の社員がそれぞれ安心して主体的に活躍できる場所をめざすとともに、ビジョンに掲げる「若者が入社したくなる小さな一流企業」を全社一丸となって実現していきます。

サトー産業(株)
設立 1971年
資本金 2,500万円
従業員数 24名(内、パート・アルバイト0名)
年商 17億760万
業務内容 産業機器・機械工具・配管材販売
住所 〒799-0404 愛媛県四国中央市三島宮川1-10-19
電話番号 0896-23-2031
URL https://sato-sangyo.com/