
(株)三木工務所 代表取締役 三木 仁氏(山梨)
人口6.9万人の南アルプス市。公共工事を主軸とする土木建設業、(株)三木工務所(三木仁代表取締役、山梨同友会会員、1966年創業)があります。従業員数15名(すべて正社員、内2名は事務)の小規模企業です。
三木仁氏は、29歳で入社し会社を法人化。40歳(1999年)で事業を承継しますが、亡くなった父親のデスクから何枚もの消費者金融の契約書が見つかり、その返済に追われることになります。当時はバブル景気崩壊の時代で2000年までは売上高1億円未満の状態が続きます。
勘違いのやさしさ

三木氏は、時代に先駆けてデジタルカメラとその管理ソフト導入(1999年)やISO9001の取得(2003年)などで差別化をはかり生産性を高めていきます。当時は仕事の段取り、危険な作業、残業などは全て社長が引き受け、従業員にはやらせないという姿勢でした。「それが社員へのやさしさだと思っていた。今になって思えば社員は脇役、自分が主役の経営だった」と語ります。
2000年以降、仕事も安定し従業員数も8~9名で1.5億円の売上高となります。
労働分配率 有資格者比率

しかし2008年に一つの工事で2000万円を超える赤字を出し、経営危機に。厳しい経営状態が続く中、同友会に入会し経営理念を作成しました。以降、同友会には必ず出席するという姿勢を貫き、スケジュール帳には毎日のように同友会の予定が入ります。
同社の人を生かす経営は、数値に表れます。その一つが労働分配率です。ここ15年、68%前後で推移する労働分配率(中小土木建設業では60%から80%といわれる)ですが1千万円近い赤字を出した年はその率が91%となりました。赤字でも給与は当然減額せず、賞与も内部留保から支給することを経営者の責任としています。さらに、子育て世帯の賃金こそ厚くという思いで、部長など管理職にも法定では必要のない割増賃金(残業代や休日出勤手当)を支給。また、従業員から反対のある中、4年前には週休2日制を導入しました。
三木工務所の強みの一つが売上高に対しての従業員数の多さと、有資格者比率です。中小土木業界平均の技術職員一人当たり完成工事高が3千万円といわれる中、同社のそれは1.5千万円と半分です。特筆すべきは、有資格者数です。6名が監理技術者と土木施工管理技士1級を保持し4名が土木施工管理技士2級の資格を持ちます。事務員2名と新入社員を除くと100%が業務に必須な資格を有しています。資格取得費用は全額会社負担、試験日も業務に位置付けます。これは、人手不足で下請業者が確保できないといわれる現在、元請も下請も機動的に可能となる強力な強みになっています。
地域からの信頼は随意契約数に
さらに、徹底した地域密着経営で旧自治体エリアの随意契約の9割を請け負います。自治体の発注担当者は「競争入札も三木さんのところだとありがたい」と漏らすほど、品質、コスト、納期で他社を圧倒します。
他の業者が嫌がる小さな仕事も地域の困りごとであれば即座に対応。水路や河川の修繕を無償で請けることもめずらしくありません。近所の河川の大規模な草刈りやゴミ拾いもボランティアで20年継続しています。まさに地域になくてはならない事業者として存在しています。
育つことをじっと待つ姿勢

遅刻や欠勤が続く従業員には全社で支える社風が確立されています。社長や子息の専務、ベテラン社員が仕事に対する厳しい姿勢を背中で見せることで若手社員は確実に成長していきます。本人がその気になるまで待つ姿勢は一見すると甘やかしにも見えますが、かえって厳しい経営姿勢なのかもしれません。
ここ数年、専門学校新卒の就職希望者が続き、20代の若手中途採用も順調です。徹底して経営理念に沿った経営を実践し、困ったときは全社員が助け合う温かい雰囲気があります。結果として取得の難しい厚生労働省のユースエール認定企業にもなりました。
「人を育てるなんておこがましい・・・」「人を信じ、仲間とともに成長しよう」この間の経営を振り返ってしみじみ語ります。
経営理念
我々は、お客さまの思いを大切に、技術と心を磨き、みんなが幸せになる会社をめざします
| (株)三木工務所 | |
|---|---|
| 設立 | 1988年 |
| 資本金 | 2,000万円 |
| 従業員数 | 15名 |
| 年商 | 2.3億円 |
| 事業内容 | 土木工事業 |
| 住所 | 山梨県南アルプス市寺部2732-1 |
| 電話番号 | 055-282-4229 |
| URL | https://www.miki-koumusyo.com/ |










