
小野リース(株) 代表取締役社長 小野 明子氏(宮城)
専業主婦から経営者への転身

1965年に小野氏(小野リース(株)代表取締役社長、宮城同友会会員)の夫が建設機械販売・修理業として前身となる小野商事を創業しました。その後、建設現場のお客さまへ、必要なものを・必要な時に・必要な期間、手軽に貸し出したいという声から、1970年に建設機械のレンタル・リースを行う小野リース㈱を設立しました。
小野氏は、長く専業主婦を務めていました。2004年、親の介護や子育ても一段落した頃「そろそろ会社に…」との無口な夫の意味ありげな一言で会社を訪ね、社員の不安げな状況を目の当たりにし、その1カ月後には社内で掃除や片づけをする自分がいました。社員たちが日々奮闘しているにもかかわらず、幹部の不正、社員が生かされていない現状も発覚し、当時体の弱かった夫と「改善のためのバトル」も毎日のように交え、ひとつずつ解決のための取り組みを行ったと言います。翌2005年、取引先の社長から同友会を紹介され、小野氏は常務取締役として入会しました。
同友会大学と経営指針を創る会で「社員教育」と「働く環境」の改善を

当時の最重要課題は「働く環境整備」と「社員共育」でした。社員が自分たちの会社を誇りに思い、やりがいや生きがいを感じてほしいとの一心で経営指針を成文化(経営指針を創る会受講)。同友会の仲間、会計事務所、金融機関を招き、経営指針発表会を開催しました。これを機に、金融機関の対応も変化し、商品の充実化や設備投資も大きく前進したのです。
現場に解あり!~仕事づくり=「人を育てる人」づくり~

入会後、感銘を受けた同友会大学へは、毎年社員を送り出しています。それは、社員が仕事上だけでなく一人一人の人生にも生かせる大切な学びを、知識として持っておいてほしいという思いがあるからです。これまでに31名の社員が同友会大学を修了しました。また社員数は小野氏の入社当時から2倍、売り上げも3倍になり、充実した仕事づくりができるようになりました。
新たな事業の柱として、建設機械の技能講習所、自動車整備工場、建設機械中古販売、常時巡回サービス、仙南営業所の開設も全て社員の発案から実現しました。技能講習所は、免許を持たない人たちの建設現場での事故が多く、経営者たちの苦労を身近に感じていた社員(同友会大学を修了したばかりの幹部)の発案です。幹部自ら準備・手配し、2009年に宮城労働局の登録教習機関としてスタートしました。
同年、夫から事業承継して社長に就任。2011年には東日本大震災による被災もありましたが、全員がお客さまに必要な商品を届けるため、自社の役割を自覚し、奮闘。特に教習所では宮城・岩手・福島(被災3県)の復旧工事のための資格取得需要が高まり、幹部社員が若手社員を引率し、ボランティア団体と協力して復旧現場を支える事業者向けの臨時講習を行ってくれました。
主婦から一転、経営者へ。社員にとって自社を誇れる会社にしたいという思いは、経営指針と同友会大学を軸として確実に会社を前進させるきっかけになりました。小野氏は、2023年から同友会大学学長に就任し、経営者と幹部社員の「学びの研究の場」から21世紀型中小企業づくりに邁進しています。
| 小野リース(株) | |
|---|---|
| 創業 | 1965年 |
| 設立 | 1970年 |
| 資本金 | 1,050万円 |
| 従業員数 | 79名(内パートアルバイト6名) |
| 年商 | 21億7,800万円 |
| 事業内容 | 建設機械器具のレンタル・販売・修理・メンテナンス、技能講習・特別教育、自動車整備工場、一般貨物自動車運送業 |
| 住所(本社) | 〒983-0034 宮城県仙台市宮城野区扇町4丁目1-26 |
| 電話番号 | 022-782-5534 |
| URL | https://onol.jp/ |










