
(株)S&S 代表取締役会長 川見 清豪氏(大阪)
起業の原点

(株)S&S(川見清豪代表取締役会長、大阪同友会会員)は、大東市に本部を構える訪問を主体とした看護・リハビリテーションのサービスを提供する会社です。現在、代表取締役会長の川見氏は、理学療法士としてキャリアをスタートし、その後、病院の事務長として看護師を含む約300名規模の組織を率いる立場を担っていました。しかし、そのなかで直面したのが「社員の給与が低く、働き続けたくても続けられない」という現実でした。「それなら、自分が起業してみんなを雇おう!」その強い思いが原点となり、元部下5名とともに同社の歩みをスタートさせます。
その後、仲間は次第に増え、拠点も拡大し、現在では12拠点、105名の社員を抱える企業へと成長しています。事業拡大の背景には、「社員の給与を上げるためには会社を大きくする必要がある」という明確な考えがあります。また、利用者のニーズに応えるため、訪問看護だけでなく関連事業も次々に展開。すべては利用者と社員のためであり、その積み重ねが現在の姿につながっています。
人を生かす「リハビリ経営」
同社では、リハビリでの現場で培った考えを経営にも生かしています。利用者への「残された強みをどう生かすか」という姿勢は、社員にも反映されています。日々の会話や雑談の中から適性を見いだし、一人一人が力を発揮できる場を創り続けてきました。例会報告の際にも、その経営スタイルを「リハビリ経営」と評しました。利用者だけでなく社員に対しても強みを生かす視点で関わっていることを象徴しています。
「他の会社でも同じ仕事はできる。でもこの仲間で働きたい」そう話す社員もおり、小児分野への事業展開も、社員が長く働き続けられる環境をつくりたいという思いから始まった取り組みの一つです。
仲間へ事業承継

川見氏は2016年に同友会へ入会し、3年目に経営指針確立・実践セミナーを受講しました。それまで明文化されていなかった理念も、起業時の思いを基に言語化されました。
そして2025年5月、創業時から共に歩んできた元部下の津路氏へ事業承継を実施。きっかけは、川見氏が津路氏へ「事業承継はいつがいい?」と尋ねた際「来年の社長の誕生日に引き継ぎましょう」と返ってきた一言でした。その言葉通り、有言実行で承継が実現しました。しかし、実際の承継は容易ではなく「事業承継には10年かかる」その言葉を実感しながら、5年で引き継ぎを進め、残り5年は支える立場として関わっていく計画です。
また、川見氏が作成した理念も、津路氏へ受け継がれています。津路氏も川見氏と同様に経営指針確立・実践セミナーを受講しましたが「何のために起業したのかという原点を考えたとき、その思いを表しているのが理念。根本の思いは同じで、この理念が好きだから変えずに引き継いだ」と語ります。
5年ビジョン

現在は事業承継の最中であると同時に、リスク分散のため新規事業の展開にも取り組んでいます。その方向性を整理するため、5年ビジョンも作成しました。
具体的には、有料老人ホーム、農業事業、セントラルキッチン、配食事業、飲食店運営(社員の憩いの場づくり)などを構想。社員の多様な働き方を実現するとともに、障害者から高齢者まで一貫して支援できる仕組みづくりをめざしています。
今後は社員への権限移讓をすすめ、徐々に組織経営への移行も図っていく予定です。会社としても経営者としても、まだ発展途上。しかし、だからこそこれからの成長に大きな可能性があります。まずは強い会社づくりをめざし、よりよい未来に向けて歩みを進めています。
「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければ、みんなで行け」その言葉のとおり、仲間とともに歩み続ける(株)S&S。これからさらによい会社へと成長していく姿に期待が高まります。
| (株)S&S | |
|---|---|
| 設立年 | 2012年12月 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 従業員数 | 105人 |
| 年商 | 6億円 |
| 事業内容 | 医療、介護、福祉事業 |
| 住所 | 大東市氷野3-3-17-405 |
| 電話番号 | 072-806-3335 |
| URL | https://www.familiar-ns.com/ |










