
(株)ねぎしフードサービス 代表取締役 根岸 榮治氏(東京)
2011年度日本経営品質賞 中小規模部門受賞

東京都新宿区に本社を置く(株)ねぎしフードサービス(根岸榮治代表取締役、東京同友会会員)は、飲食店「牛たん とろろ 麦めし ねぎし」を首都圏1都3県に41店舗を展開する企業です。
1981年に新宿・歌舞伎町で1号店をオープンして以降、牛タンをメインに据えた定食を終日提供する業態を確立。提供するメニューの味はもちろん、サービスの質でも首都圏ナンバーワンをめざし、ドミナント戦略の下でブランドを築き上げてきました。 新型コロナウイルス感染拡大時には、3割の売上高減少に見舞われたものの、新たに出店したテイクアウト・デリバリー専門店「デリキッチン」は同社のブランドを背景に瞬く間に浸透し、売り上げ回復に大きく貢献しました。現在7店舗まで拡大した「デリキッチン」は引き続き好調で、2023年4月期決算の売上高は過去最高水準となっています。
人への投資で付加価値を高める

同社の根岸榮治社長は自社を「人財共育型企業」と称し、経営理念の共有と従業員教育に力を入れています。ブランド戦略上、出店地域を本社から約60分圏内に絞っていますが、これは「従業員が経営理念を共有し、常にコミュニケーションを取るため」です。
同社では、本社に置く研修機関「ねぎし大学」に最低でも月1回は社員を集め、経営理念や調理、接客ノウハウなどについて教育。それを各店舗のアルバイトに還元させる体制や、今では育てた人が評価される評価制度とそれを反映する給与制度も確立しています。このように「人」への徹底的な投資によってサービスの付加価値を高めてきたことが、顧客満足度の向上にもつながり、価格転嫁による値上げへの理解にも寄与しています。また、人手不足が大きな課題となる中、同社では毎年約1,000人のアルバイトが入れ替わっていますが、アルバイトの募集活動も順調で、応募理由の多くが「食べに来て、ここで働きたいと思ったから」であると言います。
働く仲間の幸せを実現

2019年にセントラルキッチンを埼玉県狭山市に新設し、食材の加工能力が拡大しました。今後は同工場に冷凍設備を導入し、食材をより遠くまで届けられる仕組みを構築することで、首都圏外への展開も計画しています。さらなる事業拡大を構想する中で、根岸氏は「今後は待遇をよくしていかないと人は集まらない。待遇を改善するには、おいしいものに付加価値を積み重ねることで成長を続け、地域ナンバーワンになること。わが社は人財を育てることを強みとし、それによって経営理念の一つでもある『働く仲間の幸せ』が実現できると信じている」と語ります。
(株)ねぎしフードサービス | |
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創業 | 1969年10月 |
資本金 | 5,000万円 |
従業員数 | 142名(アルバイト1,700名) |
電話 | 03-3227-3281 |
FAX | 03-3227-3280 |
住所 | 東京都新宿区西新宿7-22-36 三井花桐ビル4階 |
URL | https://www.negishi.co.jp/ |